
今回は
菜食生活のススメ②として
私たちが動物性食品を食べることで引き起こされる
環境問題に焦点を当てていきます。
目次
畜産に使われる「水」の話

限りある資源を正しく使うためにも
どの産業でどれくらいの資源が使われているかは
知るべきです。
まず、
水について考えてみましょう。
海面水位の上昇や干ばつの
主な原因はなんでしょうか?
鉱物を扱う大きな工場による
水の大量使用や水質汚染があげられます。
実際アメリカでは
天然ガスや石油の開発のための
水圧破砕法では年間4000億ℓも使われています。
しかし畜産業に使用される水の量は
なんと130兆ℓ。(※1)
単純計算で325倍もの水が使用されています。
環境問題を語るうえで
「畜産業」は見過ごせません。
実際、食肉や乳製品ができるまで
どこで、どれだけの水が
使われているか知ってますか?
水は主に2種類の場所で使用されます。
- 飼料のため
- 飼育のため
では実際どれくらいの水が
畜産に使われているのでしょう?
地球上の水の1/3が畜産のために使われている!

そう、
なんと地球にある水の1/3が
畜産のために使われいるのです…
例えば食肉それぞれ1㎏を生産するために
必要な水の量はこちら。
- 牛肉 … 15,000ℓ
- 豚肉 … 6,000ℓ
- 鶏肉 … 4,000ℓ
それに対して果物や野菜はどうでしょうか。
- 果物 … 900ℓ
- 野菜 … 300ℓ ※2
畜産には植物の栽培に比べ
莫大な量の水が使用されています。
ちなみに
牛1頭が1日に使用する水は
約150ℓといわれています。※1
地球上で起こっている干ばつや砂漠化の
原因が畜産にあるということも
うなずけますよね。
水質汚染の原因も畜産にある!

大量に使用された水はどこへいくのでしょうか?
水を飲む、ということは
もちろん排泄されます。
しかもそれらは適切な処理をされないまま
川や海へ垂れ流しされています。※1
家畜たちの排泄物により
海水の汚染や酸化が引き起こされています。
さらに、
彼らの餌である大豆やトウモロコシには
ホルモン剤や抗生物質が沢山入っています。
その成分も海へ流れだし、
水質汚染の原因となっています。
汚染された海で育った魚にそれらは蓄積され、
人間が魚を摂取することで、
最終的に人間の体内に取り込まれます。
畜産によって引き起こされる
水の問題は決して他人事では無いですよね?
畜産に使われる「土地」の話
毎年大量の森林が
家畜の放牧のために伐採されています。
飼料を作るための農耕地も含めた
畜産用農耕地の合計は約3,300平方キロメートルにのぼり、
これはアフリカ大陸の面積とほぼ同じです。
アマゾンの森林破壊の原因は
91%が畜産といわれています。※2
毎日人口が約216,000人増え、
その食料のために森林が
どんどん農耕地へと姿を変えています。
完全菜食主義者に必要な土地は
約4,000平方キロメートルなのに対し
卵や乳製品を食べる人はその3倍、
アメリカの平均的な肉食者は
なんと18倍もの土地を必要とします。※1
逆をいえば
人々が菜食に切り替えることで
必要な土地は1/18で済むということです。
肉や卵、乳製品を食べることをやめることで
豊かな森林、
そしてそこに暮らす野生動物の命も守ることができるのです。
増える人口が問題なのではなく、
私たちが何を食べるか、が問題です。
畜産よって影響を受ける「空気」のはなし

大気汚染の原因と聞いて思い浮かべるのも
やはり工場からの煙や
交通手段による排気ガスですよね。
しかし、温室効果ガスの排出の
18~30%が家畜からという調査結果が出ています。
運輸関係は13%となっています。※1
家畜(主に牛)から排出されるガスやげっぷに
含まれるメタンガスが原因です。
メタンガスは二酸化炭素の約25~30倍もの
温室効果があります。
地球上には牛が約15億頭います。
1頭あたり1日に発するガスやげっぷは
160~320ℓにのぼります。
毎日どれだけのメタンガスが排出されているか…
想像しただけで恐ろしいです。
あなたが今すぐ菜食に変えたくなるオススメ映画 2選

COWSPIRACY
題名はconspiracy(陰謀)と
cowをかけているのでしょうか。
環境団体が環境保護のために
畜産のことには全く触れない事実に衝撃を受けます。
そこには強固な癒着があり、
団体会員の運営やビジネスの点から触れられていません。
また大手の食肉生産者は政治に対して
大きな影響力を持っていることも分かります。
環境問題において畜産を非難することは
タブーとされているのが現実なのです。
家畜を飼育する環境を考えてみてください。
狭いケージではなく、
広々とした草原でのびのびと育てるのはどうでしょうか?
ケージの中で異常な成長を促される環境と比べ
スピードが落ちるため
その分必要な水量は8か月分増えます。
そして、その期間分のメタンガスの排出も増えます。
そもそも、どんな環境で育てたとしても
最終的に人間の力で家畜は望まない死を迎えるのです。
また、
家畜用の大豆やトウモロコシを人間に回せば、
飢えている人々の食を十分支えることができます。
菜食になることで
食料不足、健康、心の健康、環境問題の
全てを解決の方向へ導くことができます。
この言葉が印象的でした。
‘We can change the world, we must change the world.’

Terra
3億5千年前から連綿と繋がる生命。
水中で誕生した生命は
長い長い年月をかけ進化してきました。
私たち哺乳類はたった2万年前に現れ、
ものすごい早さで繁栄してきました。
人々は自らの生命をつなぐために
野生の獲物を自然界の神からいただきものとして食べていました。
人間が自らの手で生命を操る神秘的な生業であった農作業が、
今ではいかに経済的、効率的に行うかが全てです。
同じ生命を宿す動物に対して
製品としてしか見ず、
生命の合理化ばかりを追い求める人々は
何か大切なことを忘れていませんか?
人間は年間5,000万人が死にますが、
動物はその1,200倍の600億殺されます。
進歩した科学は人の先進のためといって
生命を脅かす危機に加担しているのではないでしょうか?
この美しい地球、
長く繁栄してきた野生の世界を
人の欲望だけで壊していいものか考えさせられます。
Terraはラテン語で「地球」ですね。
菜食にシフトするためには考え方から

上記の事実を踏まえ、
私たちが実践できることは
毎日毎食何を食べるべきか正しく判断することです。
菜食生活のススメ①でお伝えしたようにまずは
週1日、動物性食品を摂取しない日
を設けてみましょう。
しかし、注意していただきたいのは
週1日意識したから残りの6日が許される、
というわけでは無いということです。
ストレスのない範囲で
少しずつ意識を広げてみてください。
牛乳を止めて豆乳にかえてみたり、
タンパク質摂取を肉から大豆へかえてみたり…
(大豆の代替可能性は素晴らしい!)
最近はかなり美味しい豆乳や
肉と同じ食べ応えのソイミートもあります!
自分が殺せないのに
誰かが殺した生き物だったら食べてもいいんですか?
自然も動物も人間もお互いを尊重し愛し、
豊かな地球にしていきませんか?
参照
※1 COWSPIRACY: The Sustainability Secret
※2 Asap SCIENCE https://www.youtube.com/user/AsapSCIENCE
※3 Terra The Movie